教員情報(前川 直哉)

氏名・職名 前川 直哉(まえかわ なおや,Naoya Maekawa)准教授
メールアドレス nmaekawa [at] people [dot] kobe-u [dot] ac [dot] jp
学位 博士(人間・環境学)(京都大学)
研究分野 社会学、ジェンダー/セクシュアリティ
[学部] 担当 国際人間科学部 » 環境共生学科 » 社会共生科学プログラム
[大学院] 担当 人間発達環境学研究科 » 人間環境学専攻 » 社会環境論
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研究紹介

マイノリティ、周縁とされた側から社会と歴史を描き直す

中央と周縁、マジョリティとマイノリティの間の非対称性に着目し、歴史史料分析やインタビューなど質的調査に基づいて検証する実証研究を行っています。主な関心領域は二つあり、一つは近現代日本のジェンダー/セクシュアリティ、とりわけ男性同性愛を中心とする歴史(クィア史)研究、もう一つは東京電力福島第一原発事故の教訓継承に関する研究です。
クィア史とは「架空の境界線が引かれていく過程に着目し、既存の歴史叙述を書き直す営み」のことです。これまで、明治期における「学生男色」の流行と解体過程や、大正期以降の男性同性愛者アイデンティティの受容を、雑誌・新聞・会員制同人誌・自叙伝など多様な史料を用いて検証しました。これらの研究では、男性同性愛者がマイノリティであると同時に、ジェンダーの非対称性におけるマジョリティとしての立場を無自覚に利用してきた点を示すこともできました。
さらに東北地方の性的マイノリティ団体への調査などを通じ、地方における活動の障壁とその克服の実践について明らかにしました。学校教育研究では、学校現場に潜む性別二元論や異性愛主義、男性中心主義を批判的に検証しています。BL(ボーイズ・ラブ)研究では、境界を攪乱する表現としてのBLや、ゲイ男性のBL受容過程、近年の実写BLドラマ急増などについて分析しています。
2011年に発災した東京電力福島第一原発事故については、周縁部にリスクが押しつけられる構造的課題と、住民の生活史のアーカイブ化を通じた教訓継承の方法を検討しています。
幅広いテーマに見えますが、共通するのは、人びとが「ある側面ではマジョリティであり、別の側面ではマイノリティである」ことへの着目であり、その実態を歴史史料やインタビュー、フィールドワークなど質的データから丁寧に読み解く姿勢です。ジェンダー/セクシュアリティを中心に、実証的な研究を行いたい方を歓迎します。

当研究室で研究をする場合に、学部で学んでおいてほしいこと

ジェンダー/セクシュアリティについて基礎的な知識を学んでおいていただけるとスムーズですが、必須ではありません。むしろ「思い込みで決めつけず、エビデンス(数値データや、歴史資料・インタビューなど質的データ)に基づいて議論する」姿勢や、「本をたくさん読む」習慣を身につけておくことが重要です。
質的調査は、いくつかルールやマナーはあるものの、方法論に絶対的な正解や鉄則があるわけではなく、基礎的な手法を学んだ後は先行研究を参考にしながら「場数を踏む」ことがポイントとなります。質的調査に基づくジェンダー/セクシュアリティの研究書を中心に、先行研究をたくさん読むほど、自分の調査の幅を広げることができます。

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