人間発達専攻 概要

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人間発達専攻は、多様な側面を持つ人間の発達を、総合的な視点から教育研究の対象とします。前期課程においては、人間の発達に関する実践的諸課題の解決やそれを支える新たな公共の創出に貢献する、高度専門職業人の養成を目的とします。後期課程においては、人間の発達に関する高度な専門的学識および創造的な研究能力を持つ自立した研究者、または研究能力に加えて、確かな教育開発力を備えた大学教員の養成を目的とします。さらに、特別な履修コース「臨床心理学コース」と「発達支援1年履修コース」を設置し、実践的職業人も養成します。本専攻では、幅広い問題関心のもとに、心理系、表現系、行動系、教育系という各系の方法および視点の多様性を学習し、自らの専門の新たな位置付けや特徴を修得します。

本専攻では、包摂する学問領域の広さから、修了生は多彩な進路で活躍することが期待されます。いずれの進路をとるにせよ、人間発達にかかる豊かな知見をもとに、多世代の人々がともに参画できる安全で安心なコミュニティの創成に役立つ人材になることが期待されます。前期課程では、人間発達という視点から21世紀の諸課題に果敢に取り組み新たな公共性の創出に貢献できる高度専門職業人を養成します。また、後期課程では、自らの専門以外の学問領域に広く目配りしながら、コミュニティ創成の研究を主体的に展開できる研究者や大学教員を養成します。

教育研究分野

心理系

心理学を総合した観点から、心身の発達や健康、その促進・阻害要因の探究と複雑な相互関係の把握に努め、広い視野と深い専門性をもって人間発達の様相を追究します。

  • 発達障害心理学、発達心理学、教育心理学、人格心理学、発達障害臨床学、臨床心理学、カウンセリング、発達臨床心理学、健康心理学、精神生理学

表現系

人間の感性の発現としての表現活動を教育研究対象とし、表現実践を基盤とした理論構築や、その営みによって生み出された様々な「もの」「こと」に関わる多面的な研究を行います。

  • 表現創造(舞踊学、音楽療法、即興演奏、美術・絵画表現)
  • 表現文化(音楽文化史、民族音楽学、近代建築史、ファッション文化論、社会情報学、認知科学)

行動系

行動系分野では、人が生涯を通して健康で活動的な生活を送るために、心身の健康、日常生活からレジャー・スポーツにわたる幅広い身体活動、人間行動の発達と加齢などに関わる様々な課題について学際的な観点から研究を行います。

  • 公衆衛生学、運動生理学、運動生化学、応用生理学、身体システム学、ニューロメカニクス、スポーツバイオメカニクス、運動・スポーツ心理学、体育・スポーツ史、加齢の身体運動科学、社会老年学、加齢の認知心理学、レジャー・スポーツ老年学、老年行動学

教育系

教育および学習等に関わる社会的・個人的営為を対象に教育研究を行い、人間の誕生から高齢期にいたるこころおよび諸能力の発達や人間形成に関わる諸要因について理論的、実証的に探究します。

  • 教育科学(科学教育、社会認識教育、教育方法学、教育制度、日本教育史、西洋教育史、教育哲学)
  • 子ども発達(身体発育論、数理認識論、児童文学、美術教育学、発達心理学、家族関係学、乳幼児教育学)
  • 発達支援(生涯学習論、社会教育論、障害共生支援論、ボランティア学習論、ジェンダー論、自然共生論)

履修コース(前期課程のみ)

本専攻では、実践的職業人の養成を目的とする2つの特別な履修コースを設置しています。

臨床心理学コース

臨床心理士資格認定試験および公認心理師試験の受験資格を取得できるコースで、心理臨床の専門職に求められる実践力と研究能力をともに高めます。

発達支援1年履修コース

職業人として高い成果を積み重ねてきた社会人を対象とし、発達支援に関する研究分野において1年間で修士号の取得が可能なコースです。本コースでは、実践に即した研究能力を高め、さらに高度に専門的な職業人としての能力を獲得することを目指します。

カリキュラム

取得可能な資格免許

  • 幼稚園教諭専修免許状、小学校教諭専修免許状、中学校教諭専修免許状(保健体育、音楽、美術)、高等学校教諭専修免許状(保健体育、音楽、美術)、特別支援学校専修免許状、臨床心理士試験受験資格(※1)、公認心理師受験資格(※1)(※2)

※1 臨床心理学コースのみ

※2 学部において必要な科目を履修済みか、または受験資格特例の条件を満たす必要があります。