教員情報(原田 和弘)

氏名・職名 原田 和弘(はらだ かずひろ,Kazuhiro Harada)教授
メールアドレス harada [at] harbor [dot] kobe-u [dot] ac [dot] jp
学位 博士(スポーツ科学)(早稲田大学)
研究分野 老年行動学、健康スポーツ論
[学部] 担当 国際人間科学部 » 発達コミュニティ学科 » アクティブライフプログラム
[大学院] 担当 人間発達環境学研究科 » 人間発達専攻 » 行動系
研究者情報 神戸大学研究者紹介(KUID)
教員サイト
研究紹介

運動習慣がどのように作られるのかについて研究しています

健康長寿を実現するためには、運動習慣を持つことが大切だと言われています。また、運動習慣の大切さは、すでに多くの人々が知っています。しかし、「継続は力なり」とは言いますが、運動は、日記や英会話、早寝早起きなどとともに、つい「三日坊主」になりがちな行動の代表格です。なぜ多くの人は運動の習慣化に挫折してしまうのでしょうか?どうしたら、運動を続けられるようになるのでしょうか? 運動習慣の形成についての研究は、このような疑問に答えることを目指しています。この分野は、1990年代から始まった新しい研究分野です。当初は、「やる気」「意志の強さ」「続ける自信」など、本人の気持ちや考え方の重要性を確かめる研究が行われてきました。しかし、2000年代の後半頃から、本人の気持ちや考え方以外の様々な要因も、運動習慣の形成に関わっていることが明らかになってきました。例えば、「運動できる公園が近所にある」「自宅の周りにきれいな歩道がある」といったような周りの運動環境や、「家族から期待されている」「友人から勧められた」といった人間関係が、運動習慣の形成に関わっています。また、遺伝的要素(運動が得意な体質、ドーパミンが出やすい体質など)が運動習慣の形成に関わっている可能性を示す報告もあります。現段階では、本人の気持ちや考え方に加えて、これらの要因が複雑に相互作用して、運動習慣が作られていると考えられています。しかし、運動習慣を作る確実な方法がわかる段階にはまだ至っていません。 このような背景を踏まえ、私の研究室では、心理学や地理情報学、疫学など他の様々な学問領域の手法を取り入れながら、主に高齢者を対象に、運動習慣の形成ついて研究しています。運動習慣の形成は、豊かな高齢社会づくりに貢献する、社会的意義のある研究分野だと考えています。多くの方々と協働して、この研究を盛り上げて行きたいと思っています。

 

当研究室で研究をする場合に、学部で学んでおいてほしいこと

私たちの研究室は、健康行動加齢論を専門としています。進学希望者には、健康で豊かな高齢期を過ごすためにはどのような種類の健康行動が重要であるのかについてや、これらの健康行動はどのようなメカニズムで生起・維持されるのかについて、知識を身に付けておいてほしいと思っています。また、高齢期の健康行動を支援することは、少子高齢化が進む日本の中で、身近で重要な社会課題の1つです。そのため、進学希望者には、これらの知識とともに、高齢期の健康行動 を、社会との関わりから見つめる視点を持ち合わせてほしいと思っています。

教員写真 Kazuhiro Harada