教員情報(佐藤 春実)

氏名・職名 佐藤 春実(さとう はるみ,Harumi Sato)教授
メールアドレス hsato [at] tiger [dot] kobe-u [dot] ac [dot] jp
学位 博士(工学)(群馬大学)
研究分野 高分子化学、物理化学
[学部] 担当 国際人間科学部 » 環境共生学科 » 環境自然科学プログラム
[大学院] 担当 人間発達環境学研究科 » 人間環境学専攻 » 環境基礎科学系, 自然環境論
研究者情報 神戸大学研究者紹介(KUID)
教員サイト http://www2.kobe-u.ac.jp/~hsato/
研究紹介

持続可能な社会の構築を目指した次世代の高分子

高分子材料は、軽くて丈夫、成型加工が容易、大量生産が可能などの優れた特徴を持つため、幅広い用途で使われています。しかし、使用後の廃棄物の問題や、石油依存型の生産体系、大量消費型の使用など、抱える問題も多く、近年では海洋プラスチック問題が環境問題として大きく取り上げられています。佐藤(春)研究室では、赤外分光法、ラマン分光法、テラヘルツ分光法などの振動分光法を用いた、高分子の構造と物性に関する研究をしています。これらの振動分光法は、非破壊やその場分析、さらにはイメージング測定など、様々な試料形態や解析法に対応可能な分析法です。主な研究対象としては、汎用プラスチック、生分解性プラスチック、高分子ゲルなどの高分子です。中でも、生分解性プラスチックは、次世代の高分子材料としての期待が大きく、特に力を入れている高分子材料です。生分解性プラスチックは、使用中は従来のプラスチックと同じ性能を発揮し、使用後は自然環境中で微生物により分解され、自然に還るプラスチックで、その構造と物性の相関を詳しく調べることで、より環境に優しい、より人に優しいプラスチック開発のための基礎的知見を得ることができます。環境に調和した循環型社会の実現に向けて、私たちの研究成果が、次世代の高分子材料創成に繋がることを目指して、研究に取り組んでいます。

 

当研究室で研究をする場合に、学部で学んでおいてほしいこと

環境問題に関する研究は、多くの分野が複雑に絡み合っているため、幅広い知識や、多方面からのアプローチが必要になります。私の専門分野である「高分子化学」も、有機化学や無機化学といった化学の基礎知識だけでなく、熱力学、統計力学、物理化学等の知識が必要です。学部では専門分野の基礎知識を深めるだけでなく、様々な分野の知識を得て、学問の視野を広げてください。また、学生実験のような実習から、試薬の取扱いや実験手法の原理、レポートの書き方など、研究の基礎となる土台作りをしっかり行ってください。
教員写真 Harumi Sato