教員情報(野中 哲士)

氏名・職名 野中 哲士(のなか てつし,Tetsushi Nonaka)教授
メールアドレス tetsushi [at] people [dot] kobe-u [dot] ac [dot] jp
取得大学 博士(学際情報学)(東京大学)
研究分野 認知科学、生態心理学
[学部] 担当 国際人間科学部 » 発達コミュニティ学科 » アートコミュニケーションプログラム, ミュージックコミュニケーションプログラム
[大学院] 担当 人間発達環境学研究科 » 人間発達専攻 » 表現系, 表現文化
研究者情報 神戸大学研究者紹介(KUID)
教員サイト http://www2.kobe-u.ac.jp/~tnonaka/
研究紹介

環境と出会う生物のふるまいの柔軟性と知能の核心に迫る

私達のふるまいをつぶさに調べると、複数のユニットが柔軟に結びつくことで、全体として目的を達成する組織を至るところに見ることができます。例えば何かを見る時、頭部の動きと、それを補償して眼球が逆向きに回転する運動は協調し、視線を環境の対象に安定して繋ぎとめることを可能にします。あるいは乳児の食事などではしばしば、食器が倒れないように配置を換えたり、偏った皿の上の食物の配置を取りやすいように整えたりする母親のふるまいが、乳児自身のふるまいとひとつの組織をなすことで、摂食の進行が安定化されます。こうした組織は身体の境界を越え、身体の外部のデザインや道具の製作、さらには建築や場の形成にまで拡張していきます。このような、環境を組み込むような柔らかいふるまいの組織は、いかにして生まれ、変化するのでしょうか。そしてそれは、どのように身体外部の環境と結びつき、どんな秩序をそこに生み出していくのでしょうか。これらが私たちの研究室で取り組んでいる問題です。例えば最近の研究では、四肢に重篤な麻痺をもつ頸髄損傷者が筆を口にくわえて行う運筆運動を3次元動作解析し、繰り返して同一の文字を書く頭部・ 首の運動は毎回変わるが、その変化は、筆圧や筆の角度、紙面を見る頭部姿勢といった環境を組み込んだ環境-身体間システムの安定性には影響を与えていないことを明らかにしました。この結果は、四肢麻痺者が獲得した書字行為が、何らかのプログラムの発現というよりは、環境との独特な関係の形成プロセスそのものであることを示唆するものであり、運動学習の理解に新たな知見をもたらしました。自然は手段を選びません。私達が何気なく行っている日常のふるまいは、しばしば予想を超えた情報や伝達媒体に依拠しています。環境と出会うふるまいの発達の学際的な研究を通して、生物「知能」の核心に触れることを私たちの研究室では目指しています。

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