教員情報(打田 篤彦)

氏名・職名 打田 篤彦(うちだ あつひこ,Atsuhiko Uchida)助教
メールアドレス atsuhiko [dot] uchida [at] people [dot] kobe-u [dot] ac [dot] jp
学位 博士(人間・環境学)(京都大学)
研究分野 社会心理学
[学部] 担当 国際人間科学部 » 発達コミュニティ学科 » アクティブライフプログラム
[大学院] 担当 人間発達環境学研究科 » 人間発達専攻 » 行動系
研究者情報 神戸大学研究者紹介(KUID)
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研究紹介

Well-being、社会関係資本、構築環境――三者の相互作用を考える

世界保健機関憲章(1948)において肉体的・精神的・社会的な充足状態とされるwell-beingは、私たちの暮らしを評価する究極的な指標といえるかもしれません。それを支える重要な要因の1つとして、地域における信頼、互酬性の規範、そして社会的ネットワークを包括した概念といえる社会関係資本(social capital; Putnam, 2000)が知られています。その効用の対象は、well-beingの他にもそれに資する健康、福祉、教育、治安、経済活動など幅広く指摘されており、OECDや世界銀行といった国際機関や日本の内閣府などの意識調査でも言及されています。一方で、社会関係資本は現代の国際社会において日本で顕著に弱みとされているものの1つでもあります。
ではこの不可視の社会的な基盤を私たちの生活の「場」にどう作り保っていけるか――が、私たちの社会の在り方を巡る研究および実践での重要かつ喫緊の課題といえます。その中でも特に、私たちを取り巻く物理的な構築環境(built environment)が果たす役割を考慮に入れ、社会心理学を主軸に学際的かつ分野横断的な研究と提言を試みています。 Well-being、社会関係資本、構築環境の三者の相互作用および循環の構造を動態として捉える、そして得られた知見からの提言を議論することが、研究活動の大方針です。手法としては、従来の社会調査に加え、公開されている統計資料、地理情報、プラットフォーマーによるビッグデータなどを組み合わせた統計解析、そして聞き取りを中心とした現地調査を実施しています。さらに展開的な問いとして、変化する社会・物理環境に柔軟に対応してwell-beingを育む「場」の構築に成功する集団と、逆に失敗して経路依存性の弊害を受ける集団とを隔てるものは何かを、文化心理学や適応論のパラダイムから検討します。

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