教員情報(岸本 吉弘)

氏名・職名 岸本 吉弘(きしもと よしひろ,Yoshihiro Kishimoto)教授
メールアドレス yoshiki [at] kobe-u [dot] ac [dot] jp
取得大学 修士(造形)(武蔵野美術大学)
研究分野 絵画表現
[学部] 担当 国際人間科学部 » 発達コミュニティ学科 » アートコミュニケーションプログラム
[大学院] 担当 人間発達環境学研究科 » 人間発達専攻 » 表現系, 表現創造
研究者情報 神戸大学研究者紹介(KUID)
教員サイト
研究紹介

現代の絵画― 抽象表現をとおして追求する絵画の本来像

絵画が宗教や文学から自立し、絵画そのものの姿をあらわにしたのは19世紀後半以降のことで、なかでも20世紀中庸のアメリカ抽象表現主義が大きな変革点になります。絵画とはあくまでもフォーマリズム的な文脈(造形的かつ客観的な思考)から、描かれ、語られるべき内容であるはず、と私は考えています。しかし絵画の現状は、それとはかけ離れ、サブカルチャー・イメージの横行や、嗜好的な趣味として流布しています。その現在に敢えてフォーマルな表現実践と、それに裏打ちされた理論で、挑もうとしているのが私の理念です。

歴史的に絵画は「窓」でした、その窓から見える景色に、物語や宗教や哲学などを描き、情報を伝達してきました。19世紀後半以降の絵画は宗教性から離れ、絵画独自の道を模索します。その結果、絵画は物体である「壁」にまで変化し、挙句は可変性のある「膜」にまで辿り着くのです。私はそれらの歴史観を踏襲した上で、絵画とはひとつの「門:GATE」だと仮定し創作しています。境界であり(場合によっては象徴である)、人を絵の内側に通すことのできる「門」という構造、現在の私の理想とする空間形式がそこにはあるのです。それには絵画として身体を超えた大きなスケールが必須条件となり、人間の身体性などがもつ意味も考慮せねばなりません。

また同時に理論面では、絵画が歴史的に「壁」に至る直前の形式でもあり、抽象表現の究極の様態である<オールオーバー(均質空間)>に注目し、価値を見出しています。そこには絵画の形式的または意味的な「終わり」と「はじまり」が同居しているのです。抽象表現主義の画家ジャクソン・ポロックなどに代表されるオールオーバー絵画が、その後にどう継承され、展開を遂げたか?遂げつつあるか?を多角的に検証しています。その究極の絵画は、日本でも独自の日本風土的ともいえる展開を見せつつあり、その有様は着眼すべき内容だと考えています。

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