教員情報(山下 晃一)

氏名・職名 山下 晃一(やました こういち,Koichi Yamashita)教授
メールアドレス kyamasit [at] port [dot] kobe-u [dot] ac [dot] jp
学位 博士(教育学)(京都大学)
研究分野 教育制度論、教育経営学
[学部] 担当 国際人間科学部 » 子ども教育学科 » 学校教育学コース, 乳幼児教育学コース
[大学院] 担当 人間発達環境学研究科 » 人間発達専攻 » 教育系, 教育科学
研究者情報 神戸大学研究者紹介(KUID)
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研究紹介

現代学校批判から、創造的・能動的な教育制度の構想へ

教育は、教える者と学ぶ者の間で展開される点では、個人的な営みと言えるでしょう。しかし、その個人の心構えや行為は、明示化・意識化された、あるいは暗黙・無意識のうちの、様々な「ルール」に深く規定されます。教育における「制度」とは、単なる学校種の名称 (例:小学校) や個別の機能達成システム群 (例:教育財政制度) だけでなく、それらルールの束としても捉えられるべきです。時に教育制度は意図を超えた様々な弊害を生みますが、他方、教育の変革は制度化されたとき初めて社会に根づくと言われます。今の教育を本気で変えたいのなら、ルール=制度の縛りを解き、新たなルール=制度を創ることが求められるのです。教育実践の本質に深く迫り、その存立に不可欠のものとして教育制度を位置づけることが、私の研究の出発点です。

具体的には、米国の学校参加制度を検討してきました。当初は、学校・教師批判の視点から、保護者らの意見を学校へ反映するしくみと考えられたのですが、実は、地域にとって学校がどういう役割を果たすべきかを、教師や保護者・住民が共に「熟議」することにより、大人も子どもも世代を越えて学校へ行く意味を創り直すための制度であると再評価することができました。今、日本でも保護者の「無理難題」が注目される等、成熟化社会における学校や教師の正しさ=正統性の喪失が大きな問題となっています。それを皆で回復しようとする米国の例には、大きな示唆を与えられます。

近年では、地域から学校への支持基盤の回復・拡充という視点から「学校づくりとまちづくり」の連動、「学校評価」の課題と制度構想、教育・福祉・司法等の連携、について研究を手がけました。これらを通じて、子ども・青年の豊かな自立を支え、豊かな教育実践を促す制度についての包括的探究を目指しています。

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