教員情報(宮田 任寿)

氏名・職名 宮田 任寿(みやた たかひさ,Takahisa Miyata)教授
メールアドレス tmiyata [at] kobe-u [dot] ac [dot] jp
学位 PhD (University of Washington)
研究分野 幾何学的トポロジー
[学部] 担当 国際人間科学部 » 環境共生学科 » 環境数理科学プログラム
[大学院] 担当 人間発達環境学研究科 » 人間環境学専攻 » 環境基礎科学系, 数理情報環境論
研究者情報 神戸大学研究者紹介(KUID)
教員サイト https://wwwmain.h.kobe-u.ac.jp/~tmiyata/
研究紹介

柔よく剛を制す ~幾何学的トポロジーによる複雑な空間へのアプローチ

自然界に存在する様々な物体の形を考えるとき、多面体に近いが単純な形から、木や雲のような複雑で不規則な形まで存在します。比較的単純な図形に対しては、代数的トポロジー (何らかの代数的な計算をすることによりトポロジーの性質を導く手法) が有効ですが、複雑な形をもつ図形を形式的に表現したり、比較したりすることは非常に難しい問題です。

位相幾何学 (topology) の一分野である幾何学的トポロジー (geometric topology) は、図形や空間のトポロジー (通常より柔軟な基準で図形を分類する概念) を幾何学的な手法で解決しようとする分野です。私は、その手法の1つであるシェイプ理論 (shape theory) について研究しています。シェイプ理論は、1970年代にポーランドの数学者K. Borsukらによって提唱され、局所的に複雑な図形をある近似的な手法によりその図形全体の情報を得るための理論です。例えば、本州を沿岸線が囲む1つの図形として考えるとき、シェイプ理論では、本州は1つの円周と同等な形をしていると見なします。

私たちは、シェイプ理論における1つの近似する手法 (inverse systemなど) に注目し、この技術をトポロジーの枠にとらわれることなく、複雑な図形を扱うフラクタル幾何学にも応用できることがわかってきました。例えば、フラクタル幾何学における次元 (Hausdorff次元、box-counting次元など) は、この手法によって表現され、どのように複雑な図形を比較する方法についても解明されてきました。今後は、シェイプ理論的フラクタル幾何学の理論の構築を進め、幾何学を超えた様々な分野への応用も視野に入れていく計画です。関連して、図形に対する1つの数である次元 (次元論、コホモロジー次元論、拡張理論) の問題についても研究を進めています。

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