教員情報(大野 朋子)

氏名・職名 大野 朋子(おおの ともこ,Tomoko Ohno)准教授
メールアドレス onotomoko [at] people [dot] kobe-u [dot] ac [dot] jp
学位 博士(農学)(大阪府立大学)
研究分野 緑地環境学、造園学
[学部] 担当 国際人間科学部 » 環境共生学科 » 生活共生科学プログラム
[大学院] 担当 人間発達環境学研究科 » 人間環境学専攻 » 環境形成科学系, 生活環境論
研究者情報 神戸大学研究者紹介(KUID)
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研究紹介

植物利用の知恵と伝統から地域景観の成り立ちを読み解く

私たちは、多くの植物を利用しながら暮らしています。食糧、薬、資材など植物の持つ有用な成分や機能を利用することはもちろんのこと、それ以外にも植物は鑑賞や遊び、祭祀にもかかわって、人々の心を癒やし、私たちの生活に彩を与えてより豊かなものにする役割も持っています。このような植物利用は、民族、地域によって使用される植物の種類や方法、呼び名などが異なり、それぞれの歴史や文化的背景のもとで、固有の植物利用の文化を形成してきました。この植物利用の結果として地域、民族独自の多様な植物景観が創り出されていると考えています。人間の植物利用が創り出す景観の成り立ちを深く追求することは、現在問題とされている外来種の拡散や生物多様性の劣化など様々な環境問題を解決する糸口であるとともに、多様な景観の保全と創出や環境緑化の基礎です。

具体的には、タケ類を中心として人と植物の関係性を探り、地域景観の形成についてフィールド調査、研究を行っています。タケ類は、アジアを中心とした広い範囲に分布し、世界には111属1030~1100種存在するという多目的利用される重要な植物資源です。特に東南アジアに暮らす少数民族の生活の中には、目的にあった多種多様なタケ類の利用が見られ、その中には葬式や結婚式、神事など民族のアイデンティティを象徴するために必要不可欠なタケ類が存在しています。このような重要なタケ類は、人間によって持ち運ばれ、本来の自生地を離れて栽培、維持されているのです。人間が創り出した地域景観の形成について、民族学と植物学、景観生態学からの視点を取り入れて文理融合型の幅広い研究を行います。

調査地で出会う多様な風景と人々の暮らし、その関係性を「植物」をキーワードとして読み解くことは、まるで宝探しをしているかのような楽しみを感じさせるものであり、発見し、探究することへの喜びをあたえてくれることでしょう。

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