教員情報(佐賀 達矢)

氏名・職名 佐賀 達矢(さが たつや,Saga Tatsuya)助教
メールアドレス tatsuya [dot] saga [at] people [dot] kobe-u [dot] ac [dot] jp
学位 博士(学術)(東京大学)
研究分野 市民科学、行動生態学、環境教育
[学部] 担当 国際人間科学部 » 環境共生学科 » 環境自然科学プログラム
[大学院] 担当 人間発達環境学研究科 » 人間環境学専攻 » 自然環境論
研究者情報 神戸大学研究者紹介(KUID)
教員サイト https://www2.kobe-u.ac.jp/~ts0105sg/
研究紹介

ヒトにとって自然や生物多様性はどうして大切なのでしょうか?

このとても大きな問いに答えるべく、2つの大きな研究課題(+蜂の研究)に取り組んでいます。
一つ目は、市民がどのように自然をとらえているのか、という研究です。特にこれからは、伝統的な昆虫食文化の実践者がいかにして自然の中から食べられる昆虫を見つけ出しているのかを研究したいと考えています。また、都市部で生態系保全活動をしている人々、高校生などの若者も対象にしています。
二つ目は、地域の自然や生物多様性の現状を明らかにしたり、食・採集活動によってその恩恵を実感したりしてその大切さについて市民と考え、共有する方法について研究しています。具体的には、地域住民の方々や児童・生徒と生態学的手法(生物捕獲調査や遺伝子解析技術など)による調査や保全活動を行って、自然や生物多様性に関するデータを取得します。また、伝統的な食用昆虫や淡水魚、ニホンミツバチなどを採集して食べたりして生態系からの恩恵を理解します。これらの活動を通じて、市民と自然や生物多様性の大切さについて考え、他者と共有する科学コミュニケーションの方法を考えます。
上記の課題とは一転して、ハチやアリなどの社会性昆虫の社会(家族)の中に多様性が存在するのか?存在するとすれば何か利点があったのか、つまりどうして進化してきたのか、についても研究しています。また、スズメバチやアシナガバチは都市部では人を刺す昆虫として嫌われている一面もありますが、彼らの益虫としての働きや、都市部への適応についても研究しています。上記のどの課題も現場や野外に出向き、可能な限り定量的なデータを取り、自然科学的な視点や手法を用いて解析、考察する研究を目指しています。人と生き物の関係や市民科学、環境教育、昆虫食文化、社会性昆虫に興味がある学生のみなさん、気軽に研究室に話をしにきてください。

 

当研究室で研究をする場合に、学部で学んでおいてほしいこと

私は理系出身ですが、生態人類学や地理学、教育学を専門とする研究者の方々とそれぞれの専門性を活かしながら上記の人文社会科学との学際的な研究に携わってきました。私自身がこのような背景をもつため、当研究室では理系か文系かの出身に関わらず歓迎しますが、自身の興味があることを思い切り学んできてほしいです。ただし、上述したように研究を行う上でデータ処理やフィールドワークは欠かせませんので、関連する授業や、統計処理、フィールドワークを伴う実験・演習科目は積極的に修得してきてほしいと思います。蜂の生態・進化の研究を希望する方は、生態学や遺伝学、統計学、生物学の実験を学んできてください。

教員写真 写真