アクティブエイジング研究センター 研究プロジェクト(2025年)

鶴甲いきいきまちづくり-アクティブエイジングを目指して

メンバー

原田和弘、増本康平、岡田修一、近藤徳彦、長ヶ原誠、片桐恵子、近江戸伸子、学外研究者

期間

2010年度~2026年度

内容

オールドニュータウンである鶴甲地区を対象に、多世代が心身ともに健やかで将来の希望に満ちた、安全に暮らせるまちづくりを支援するものである。アカデミック・サロン(大学内で行うイベント)を鶴甲地区の住民の学びと活動の場の基礎とし、大学をコミュニティの中心に位置付け、このサロンを通して、住民同士のネットワークを形成するとともに、サロンの継続に必要なファシリテーターを養成し、住民が企画・運営するコミュニティ活動を支援する。

サードエイジのサクセスフル・エイジング・モデル構築プロジェクト

メンバー

片桐恵子、学外研究者2名

期間

2015年度~2025年度

内容

これまでの高齢者とは異なる新しいシニア層である、団塊世代以降の人のライフスタイルや志向を把握し、サードエイジ期(定年後から元気な時期)のサクセスフル・エイジング・モデルを構築する。

生涯学習・多世代交流プロジェクト

メンバー

片桐恵子、学外研究者2名、海外研究者1名、大学院生1名

期間

2018年度~2025年度

内容

生涯学習を行うシニアの現状を明らかにし、学習を促進疎外する要因とそのもたらす効果をライフコース的な視点から明らかにする。さらに生涯学習を異世代交流の機会をとらえて、その効果も検討する。アイルランドとの国際比較研究を実施しながら検索する。

高齢者の身体システム機能維持・向上への学際的プロジェクト

メンバー

木村哲也、佐藤幸治、木伏紅緒、学外研究者

期間

2015年度~2030年度

内容

高齢者の身体システム機能の維持・向上に対して、基礎研究及びその成果に基づいた社会実装を、応用生理学、運動生理・生化学、バイオメカニクス、生体工学の各観点を統合して学際的に実施する。現在取り組み中の具体的課題は、立位バランス神経制御則の解明や高齢者の筋機能の向上である。

関西ワールドマスターズゲームズ2027レガシー創造支援研究

メンバー

長ヶ原誠、近藤徳彦、片桐恵子、増本康平、学外研究者3名

期間

2015年度~2027年度

内容

関西広域で2027年開催予定の生涯スポーツの国際大会がもたらすレガシー(遺産)創造に向けた振興事業アクションリサーチの展開と効果検証のモニタリング評価を実施し、成人・中高年者を対象とした参加型のスポーツメガイベント開催が個人と地域の活性化に及ぼす影響過程を検証する。

活動的な生活習慣と健康増進プロジェクト

メンバー

原田和弘、近藤徳彦、学内・学外研究員

期間

2017年度~2026年度

内容

高齢者において、活動的な生活習慣が形成・維持されるプロセスには、どのような要因が関わっているのかを学際的な観点から明らかにする。また、その知見に基づき、活動的な生活習慣の効果的な支援方法を開発する。

アクティブライフ評価と健康寿命の延伸・認知症予防対策

メンバー

近藤徳彦、増本康平、木村哲也、佐藤幸治、原田和弘、学内研究員

期間

2024年度~2027年度

内容

中年期までの活動的な生活習慣(=アクティブライフ)が、健康寿命の延伸や認知症発症を防ぐ効果があるかどうかに注目が集まっている。本研究では幅広い年代のアクティブライフを、経年的に、かつ、正確に測定し、アクティブライフと健康・認知症に関するデータの構築を目指す。これにより健康寿命の延伸や認知症予防に効果的な生活習慣対策を検討する。

社会的つながりの新たな推定・評価方法の確立

メンバー

増本康平、原田和弘、近藤徳彦、学内・学外研究者、神戸市、企業

期間

2022年〜2025年

内容

良い社会的なつながりは、健康増進、認知症罹患率の低下、幸福感の向上など個人にとって良い影響をもたらすだけでなく、地域の安心・安全や災害時の孤立者の減少等、地域コミュニティの問題を解決する上でも重要である。しかしながら、社会的つながりを客観的に測定可能な指標は極めて限られている。本プロジェクトでは、スマートフォンを用いたコミュニケーション量の計測と、調査データによって収集可能な人とのつながりのデータから数理モデルによって社会的つながりを推定する二つの手法の開発と社会実装を目的とする。

感情調整と信頼の加齢変化と社会的つながりに関する縦断研究

メンバー

増本康平、佐藤幸治、原田和弘、学内研究者

期間

2022年度〜2025年度

内容

高齢期のウェルビーイングの実現において社会的つながりは必要不可欠である。感情調整は良い人間関係の構築において中核的な役割を担っており、加齢の影響を受けにくい機能として知られている。しかしながら、高齢期の感情調整が社会的つながりや他者への信頼に及ぼす影響は明確ではない。そこで本研究では、この点を明らかにし、感情調整機能を活用することによる老いへの適応とウェルビーイングの実現の方法について検討する。

高齢者のソーシャルサポート授受とICT:コロナ禍での活用と有効性の東アジア比較

メンバー

片桐恵子、 竹内真澄、 学外研究者1名

期間

2021年度~2025年度

内容

コロナ禍での活動や人との交流の制限は高齢者の心身に大きなストレスを与えている。しかしコロナ禍において従来のようなソーシャル・サポートを得ることは難しい。ICTを活用したソーシャル・サポートが代替として想定されるが、その現状や有効性は明らかではない。デジタル化が進み、日本に似た家族規範を持つ韓国と香港において、高齢者のICTの利用と効果について精査し、日本でのICT活用に有効な施策について提言する。

身体的健康が脳の老化を遅らせる分子生物学的基盤の解明

メンバー

石原 暢(代表者)

期間

2023年度~2025年度

内容

身体を健康に保つライフスタイルは、脳老化の減速と関わることが示されている。例えば、習慣的運動に伴う体力の向上は、中高齢期の脳老化の減速と関わる。一方で、過度な座位時間、喫煙、睡眠不足、肥満、高血圧は脳老化の加速と関わる。それでは、これらの身体的健康要因は、どのような分子生物学的メカニズムで脳の老化と関わるのだろうか?本研究は、DNAメチル化の役割に着目し、身体的健康が脳の老化を遅らせる分子生物学的メカニズムを調べることを目的とする。

高齢者世帯のエネルギー価格高騰に対する家計脆弱性の分析手法の開発

メンバー

田畑智博、学外研究者1名

期間

2023年度~2025年度

内容

カーボンプライシングに代表される経済対策はカーボン・ニュートラル政策として重要である一方、エネルギー価格の高騰を誘発させることで高齢者等の社会的弱者の家計を圧迫するおそれがある。本研究は、所得や家計に占める燃料費の割合をもとにエネルギー価格に対する家計の脆弱性を測定する指標である燃料貧困指標を用いて、高齢者世帯のエネルギー価格高騰の影響を把握するための手法を開発する。実証分析を通じてその影響を測定するとともに、影響を緩和するための対策を提案する。

質の高いプラスチックリサイクルシステムの設計

メンバー

田畑智博、学外研究者1名

期間

2024年度~2027年度

内容

サーキュラーエコノミー(循環経済)構築の観点から、付加価値の高いリサイクル素材を製造するためにプラスチックの分別(樹脂の種類、色等)に対する要求水準が高まっている。本研究は超高齢社会においても持続可能なプラスチックのリサイクルシステムを設計するため、高齢者世帯が容器包装プラスチックの分別にどれだけ協力できるのか調査し、要求水準と現実とのギャップを明らかにする。

高齢者の社会的孤立・孤独予防プロジェクト

メンバー

片桐 恵子(代表者)、増本康平、原田和弘、佐藤幸治、木村哲也、石原暢、木伏紅緒、打田篤彦、伊藤真之、稲原美苗、中村 匡秀、陳思楠、金子由芳

期間

2022年度~2026年度

内容

近年高齢者のみ世帯が増加する一方、家族の絆や近隣、友人関係など、日本の高齢者を支える社会関係は脆弱化している。また、これからは都市の高齢化が進み、さらに近隣関係の希薄化が進むと考えられる。本プロジェクトは、賃貸集合住宅に居住する高齢者が住む地域社会に介入し、住民同士の交流を促進することで、社会的孤立・孤独の一次予防を企図するアクションリサーチである。科学的エビデンスをもとに、介入効果を明らかにすることも目指す。

浴槽入浴とウェルビーイング

メンバー

近藤徳彦、木村哲也、佐藤幸治、原田和弘、石原暢、木伏紅緒、学外企業

期間

2025年度~2026年度

内容

本プロジェクトでは、浴槽に湯を張った入浴(浴槽入浴)という、日本文化に根差す生活習慣に注目した産学共同研究を行う。具体的には、浴槽入浴がウェルビーイングに関わる指標へ及ぼす効果の検証と、より効果的な入浴方法・技術の開発を行う。

バイオフィリック・デザインによる都市緑地の展開‐多様な街路樹を生かしたLiving Nature Kobeを目指して-

メンバー

大野朋子,片桐恵子,田畑智博 学外者7名

期間

2024年度~2025年度

内容

バイオフィリック・デザイン(自然を感じるデザイン)の概念を取り入れながら、 都市の多様な街路樹植栽がもたらす修景や心地よさ、夏季の涼しさ(緑陰の効果)など 人々の心身に与える影響をアンケートと実測より明らかにする。街路樹の新たな可能性を発掘し、神戸市が推進するLiving Nature Kobeをより発展させ、居住者、来訪者すべての人々が都市に求める心地よく居続けたいと思う緑豊かなまちづくりを提案する。