音楽文化のトランスボーダー Vol.8 今、感じて考える 「B面のシェーンベルクとその時代」【学術Weeks2024】

本企画に寄せて:

音楽文化史ゼミでは、2014年から研究科の学術WEEKSで「音楽文化のトランスボーダー」と題して、ジャンルや文化圏、時代などを越境し、新たな問いを投げかける音楽文化の豊かさと可能性を、実際の舞台上演を通して紹介し、アフタートークではアートによる「文化的記憶」のありかたを問う機会を設けてきました。
Misako_Ohta/others

Vol.8となる今回は「B面のシェーンベルクとのその時代」と題して、今年生誕150周年を迎える作曲家シェーンベルクについて、モダニストとしての歴史の表舞台の顔とは異なる側面に焦点をあてます。B面とは本プログラムの中心を成す「Brettl Lieder (キャバレー・ソング)」の頭文字でもあります。
日本の現代音楽界をリードしてきた演奏者と研究者を招き、「20世紀音楽のシンボルとなった巨匠シェーンベルクのレガシー」について、その多面性と時代性を捉え直す好機です。そして、シェーンベルクに憧れつつ、別の道を歩んだクルト・ヴァイルの初期の歌曲やソング《兵士の妻は何をもらった》(1939)も合わせて演奏して頂きます。演奏者には、松平頼曉をはじめとして、現代の邦人作曲家の世界初演を数多く手がけ、文化庁芸術祭音楽部門の大賞を受賞するなど、現代音楽界になくてはならない存在感を放つ声楽家、太田真紀さん、フランスと日本の現代音楽を往来する響きを探究したプログラムで奏者として好評を博し、東京芸大で博士号を取得した研究者としても注目されているピアニストの前田裕佳さんをお迎えします。お二人は神戸大学でも実技の授業を担当して頂いています。
そして、プレトークとアフタートークでは、東京大学名誉教授で、『戦後の音楽―芸術音楽のポリティクスとポエティクス』『オペラの20世紀 夢のまた夢へ』などの大著があり、20世紀音楽や日本の現代音楽研究、洋楽史研究を牽引してきた、日本音楽学会会長の長木誠司先生をお迎えします。「シェーンベルクとその時代」を今、再解釈することで現代音楽のどのような側面が照射されるのか、シェーンベルクの音楽に造詣の深い御三方に問いを投げかけて頂き、参加者とともに作品を体験し、深く思考する時間を持ちたいと考えています。(大田美佐子)

出演

歌 太田真紀 (声楽家)

ピアノ 前田裕佳 (ピアニスト)

お話 長木誠司 (音楽学者・東京大学名誉教授)

日時

2024年11月18日(月) 17:30開場 18時開演

場所

神戸大学鶴甲第2キャンパス C111(C棟1階)

対象・参加方法など

学生、研究者、一般 (問い合わせ先までメールでご連絡ください)

企画・お問い合わせ先

表現系講座 音楽文化史研究室

大田美佐子 Mail:misaohta [at] kobe-u [dot] ac [dot] jp

主催

神戸大学大学院人間発達環境学研究科 学術Weeks2024

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