教員情報(SHIRASUGI Naoko)

氏名・職名 白杉 直子(しらすぎ なおこ,SHIRASUGI Naoko)教授
メールアドレス naoshika [at] kobe-u.ac.jp
取得学位 学術博士 (大阪市立大学)
研究分野 食環境学
[学部] 所属 人間環境学科 生活環境論コース
研究テーマ

食生活が生み出す環境問題 (台所排水の汚濁負荷,肥料による地下水の窒素汚染) に関する研究や食品成分からみた味覚研究を行っています。

[大学院] 所属 [博士課程前期課程] 人間環境学専攻 生活環境論コース
[博士課程後期課程] 人間環境学専攻 生活環境論分野
[(旧)博士課程前期課程] 人間環境学専攻 生活環境論コース
[(旧)博士課程後期課程] 人間環境学専攻 生活環境論分野
研究テーマ

茶園をフィールドとした農地の多施肥による地下水の窒素汚染低減化,および有機酸の塩味増強・抑制効果(ハエ味細胞を用いた電気生理学実験による評価)の研究を行っています。

研究者情報 神戸大学研究者紹介(KUID)
教員サイト 教員のウェブサイト
研究室紹介 食生活が生み出す環境問題に「実験+学際的視点」でアプローチ

食環境学研究室では,「食生活が生み出す環境問題」を,食卓だけではなく食糧生産の場まで遡って考えます。例えば,現代日本の農業が抱える問題として,農地における肥料の与え過ぎがあります。農作物の生産性を上げるために行われている多施肥が地下水の窒素汚染などの環境問題を引き起こしているのです。地下水の飲料水としての安全性に問題が起こるだけでなく,野菜などの農作物自体の安全性にも影響を与えています。この問題の解決を目指して,生産農家の協力を得て,圃場に赴き,土壌溶液などの試料を自分たちの手で採取し,研究室に持ち帰ります。実験室で主に化学実験の手法で試料を分析します。調理室では食味などの検査をします。時間と労力が掛かりますが,まだ誰も知らない事実を自らの手で明らかにしていくのは楽しいことでもあります。責任を持って出した実験データを基に,消費者の意識にまで遡って解決の糸口を探そうとするのが当研究室の特色です。

研究最前線 環境研究のキーワード「発生源抑制」の観点から問題解決を図る

食環境学研究室には,「食生活が生み出す環境問題」と「食品の呈味成分が味覚に及ぼす影響」という二つの研究の柱があります。

まず,前者について。わが国の水問題の現状として,窒素・リンによる水質汚染の低減が喫緊の課題となっています。これらの主な発生源のひとつに農地における過剰施肥があります。農作物の生産性向上のため,農地に肥料を与え過ぎる傾向は先進諸国に共通していますが,なかでも農耕地の狭い日本は過剰施肥の傾向にあります。そこで,「農地の肥料の与え過ぎから生じる地下水の窒素汚染」の典型的な事例として茶樹栽培に着目し,窒素溶脱の低減化に繋がる研究に力を入れています。具体的には,茶農家の協力を得て,茶の生産圃場をフィールドとし,茶葉や土壌中の水に対して主に化学実験の手法でデ―タをとり,研究していますが,発生源抑制の観点から消費行動にまで遡って,問題解決を図ろうとしている点を特色と考えています。

緑茶の味と環境問題 ―農地における窒素溶脱問題の食環境学的アプローチ―(神戸大学大学院総合人間科学研究科 ニューズレターNo.15 (2005年7月号) の掲載記事)
後者の「味覚研究」については,かつて当研究室の大学院生が,当時の自然環境論コースの尼川大作教授との共同研究として,別の目的でハエの味細胞をモデルとした電気生理学実験に取り組んでいたところ,偶然,有機酸による塩味の増強効果を見出しました。以来,「有機酸による塩味の増強・抑制効果」も当研究室のもうひとつのメインテーマになりました。最終目標として,ヒトの味覚への影響の解明や食生活への応用を念頭においているため,研究手法として,ヒトの官能評価も用いますが,現在は主によりシンプルなハエの味細胞をモデルとした電気生理学実験で基礎的なデータを蓄積しつつ研究を進めています。

メッセージ

既存の学問にまだ「食環境学」と呼ばれる分野は確立されていません。研究室では、本学部にふさわしい「食環境学」の研究テーマを模索してきました。実際に自分の手で環境研究に取り組んでみたい人や、実験が好きな人、食に興味のある人に向いています。高校時代の文系・理系選択は問いません。ただし、研究にある程度の化学の知識が必要になってくるので、化学を選択しなかった人も、大学入学後に勉強してみて下さい。わかりやすい参考書を紹介します。

なお、栄養士の資格は本学では取得できません。