教員情報(関 典子)

氏名・職名 関 典子(せき のりこ,Noriko Seki)准教授
メールアドレス n-seki [at] pegasus [dot] kobe-u [dot] ac [dot] jp
学位 修士(人文科学)(お茶の水女子大学)
研究分野 舞踊学、コンテンポラリーダンスの創作と研究
[学部] 担当 国際人間科学部 » 発達コミュニティ学科 » アートコミュニケーションプログラム
[大学院] 担当 人間発達環境学研究科 » 人間発達専攻 » 表現系, 表現創造
研究者情報 神戸大学研究者紹介(KUID)
教員サイト http://www2.kobe-u.ac.jp/~sekinori/
研究紹介

「今」を生きる使命感をもって――コンテンポラリーダンスの挑戦

「コンテンポラリーダンス」とは何か。舞踊史的な位置づけとしては、1980年代のヨーロッパで発生し、現在、世界各地で展開している最先端の舞踊の潮流を指す語として用いられています。「contemporary」という語は「同時代の、現代の (≒modern)」と訳されるのが一般的です。この語は「今・ここ・私」などと同様、「いつ・どこで・誰が」話したかによって異なるものを指示する発話参照語であるため、多様なものを包括する曖昧な概念であるとも言えるでしょう。コンテンポラリーダンスにおいては、個々の振付家が独自の表現を展開し、その多様性が一つの特質として認められていますが、同時に「既存のジャンルや様式に回収されない新しい舞踊の総称」として、未だ明確な定義づけのないまま、便宜的に用いられている感も否めません。ここに、コンテンポラリーダンスという同時代の現象を研究することの困難さがあります。しかし、翻って語源に着目してみると、「con (共有)+temporary (一時の、束の間の)」に由来する「同時に存在する (≒simultaneous)」という重要な意味が浮かび上がってきます。そもそも我々は「今」という時制にしか身を置くことはできません。各時代の芸術家は、それぞれの時代を反映した作品を生み出してきました。「同時代性」や「現代性」の追究は、それが我々にとって他に選択肢のない、かけがえのない時間の意味でもあるからです。とりわけダンスは「今、ここ」という「現在」を、「共にある」という「共生」を離れてはあり得ず、時と場を共有することによってこそ体験しうる特異な芸術です。コンテンポラリーダンスの孕む舞踊の本質に魅了されながら、表現者として、研究者として、ある種の使命感をもちながら日々研鑚を重ね、そして、次代を担う人材を輩出していきたいと願っています。

 

当研究室で研究をする場合に、学部で学んでおいてほしいこと

まず備えていただきたいのは、ダンスや身体表現に関する基礎的な知識です。様々な文献・作品・時代・人物に触れることで、ご自身の興味はどこにあるのか、何に、なぜ、どのように惹かれるのか、見えてくることでしょう。時にはご自身で実践されることも非常に有効だと思います。実際に踊ってみて、身体を通して直感・直観できることがきっとあります。

「表現」は人間が世界に関わるための宿命的な営為であり、「身体」はその原初的な媒体です。他の誰でもないあなた自身の自主性や独自性を発揮されることを最優先しながら、研究面においても表現面においても身体のもつ力を信じ、願わくば教員と学生という関係に留まらない同志として、ダンスや身体表現の魅力を探究していきたいと願っています。

教員写真 Noriko Seki