教員情報(近藤 徳彦)

氏名・職名 近藤 徳彦(こんどう なりひこ,Narihiko Kondo)教授
メールアドレス kondo [at] kobe-u [dot] ac [dot] jp
学位 教育学博士(筑波大学)
研究分野 応用生理学、運動生理学、環境生理学
[学部] 担当 国際人間科学部 » 発達コミュニティ学科 » アクティブライフプログラム
[大学院] 担当 人間発達環境学研究科 » 人間発達専攻 » 行動系
研究者情報 神戸大学研究者紹介(KUID)
教員サイト http://www2.kobe-u.ac.jp/~kondo/
研究紹介

汗をみるとヒトの特徴や行動能力が分かる

ヒトの身体能力は他の動物と比較して優れているでしょうか。大きな力を発揮することや短い距離を速く走る能力はゴリラやチータと比較するとそれぞれかなり劣っています。それでは、長時間走る能力、それも暑い環境下ではどうでしょうか。答えは、長時間、マラソンレースなどの速さで走れるのは地球上でヒトのみで、例えば、マラソンレースの速さでイヌが真夏に走ると、15分程度で走れなくなります。さらに、この高い能力によりヒトは暑い中で狩りができ、それにより食料を確実に確保し、現在のような進化を遂げたことを提唱している研究者もいます。これは我々人類が汗という他の動物には類をみない、体外に熱を放散する強力な仕組みを獲得したからで、これはヒトの行動能力を支える大きな特徴だといえます。しかし、ヒトにおいて優れている汗の機能に関しては多くの謎が残され、最近になって様々なことが分かりはじめています。例えば、真夏などでかく汗と運動などでかく汗は、汗としてはほぼ同じですが、汗を出す仕組みが両者では違います。夏などの環境温が高い場合には皮膚の温度とからだの内部の温度変化が汗を出すための大きな入力となります。一方、運動をしたときの汗にもこれらの入力は関わっていますが、それ以外の入力も関係し、例えば、筋肉の疲労を感知しているセンサー(筋代謝受容器)が運動中の汗を調節していることが分かってきました。ただ、運動時におけるヒトの体温維持にこの入力がどのように貢献しているのかは不明で、さらなる研究が必要です。さらに、このようなヒトの適応能力は、これまでの地球環境変化に対して我々の身体機能を使って適応してきた証でもあります。このようなヒトの特徴である汗に関わる身体の適応能力に関する研究は、我々の進化や行動を知る上でも重要ですし、また、環境への適応と密接に関係しているので地球温暖化の問題とも関連し、今後、注目される分野となるでしょう。

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