教員情報(清水 大地)

氏名・職名 清水 大地(しみず だいち,Daichi Shimizu)助教
メールアドレス d-shimizu [at] people [dot] kobe-u [dot] ac [dot] jp
学位 博士(教育学)(東京大学)
研究分野 認知科学、身体性科学
[学部] 担当 国際人間科学部 » 発達コミュニティ学科 » アートコミュニケーションプログラム
[大学院] 担当 人間発達環境学研究科 » 人間発達専攻 » 表現系, 表現創造
研究者情報 神戸大学研究者紹介(KUID)
教員サイト
研究紹介

パフォーマンス創作の科学的理解と教育的応用の探求

私の属する研究領域である「認知科学」は、人間の振る舞いや認知のメカニズムの包括的な検証を志向する学問領域です。上記領域において私は、「表現創作の科学的理解とその教育的応用」を中心に研究に取り組んできました。特に現在、ダンスや音楽などのPerforming Artsを対象に以下3つのテーマに取り組んでおります。

(1)  人はいかに新しい表現を生み出し、創造的な熟達者となるのか 優れた創作者は、独自の新しい表現やスタイルを生み出し、創造的熟達者として領域を新しい方向に導いていきます。それらの表現やスタイルはいかなる過程で生み出され、蓄積されるのでしょうか。その過程について、熟達者を対象にした現場での熟達研究、モーションキャプチャーシステムや加速度計を用いた実験研究により検討しております。

(2)  人はいかに表現の場において他者と協調し、体験を共有・拡張するのか パフォーマンス場面の魅力的な事象の1つとして、演者間・演者と観客間に生じる相互作用(表現の同期・協調・共有・触発)が挙げられます。それらの現象はいかなる過程により生じ、演者・観客にいかなる情動的体験をもたらすのでしょうか。その動的過程について、モーションキャプチャーシステムや心拍計を用い、実験室や現場を対象にした検討を行っております。

(3)  人はいかに表現の体験を通して、創造的な視点を深めることが出来るのか 上記の新しい表現の創作体験や他者との共有体験は、人々の生活に新しい視点やその動機づけをもたらし、創造的な生活を営むことを促すと考えられます。以上の現象はいかに教育的に支援することが出来るのでしょうか、またいかなる具体的変化をもたらすのでしょうか。その過程と変化について、各芸術表現の特徴を強調したワークショップを実施し、効果検証を行っております。

以上のテーマを互いに参照し合い、人々は創作場面においていかなる体験をし、それを他者と共有するのか、その体験は社会においていかなる意味を有するのかを探索的に検討する。以上が本研究室の長大な研究テーマです。

 

当研究室で研究をする場合に、学部で学んでおいてほしいこと

私の研究室では、基礎研究・実践研究への取り組みを通じて、院生達が次のスキル・コンピテンシーを深く形成することを支援します。そのため、学部では以下の内容に関して、科学的または実践的な学習を一定程度行っておくことを求めます。1:創造的な思考(創造性、芸術表現)、2:学びに関するメタ認知(教育心理、学習、評価)、3:他者との協働・触発(協働学習、創発、同期・協調)、4:社会との接続・関わり(21世紀型スキル、STEAM教育)、5:研究・実践に必要なICT・統計リテラシー(心理統計、同期解析、SPSS、R)。自身の意思で学びを整理しながら創造的な思考を深め、他者との創発的な関わりを積極的に行い、社会における自身の位置づけや役割を自覚してライフワークに取り組むことが出来る。修了生には、そのような人物として活躍することを期待しております。

教員写真 daichi_shimizu