教員情報(村山 留美子)

氏名・職名 村山 留美子(むらやま るみこ,Rumiko Murayama)准教授
メールアドレス murayama [at] person [dot] kobe-u [dot] ac [dot] jp
学位 博士(医学)(順天堂大学)
研究分野 環境保健学、環境・健康リスク論
[学部] 担当 国際人間科学部 » 環境共生学科, 発達コミュニティ学科 » 生活共生科学プログラム, 社会エンパワメントプログラム
[大学院] 担当 人間発達環境学研究科 » 人間環境学専攻 » 環境形成科学系, 生活環境論
研究者情報 神戸大学研究者紹介(KUID)
教員サイト
研究紹介

環境中のリスクに関するよりよい合意形成手法を考え、提案する

人の健康を巡る環境には、多くの「リスク」が存在しています。例えば、発がん性を持つ化学物質や放射線などもそのひとつですが、そういった「リスク」のなかには、影響を全くゼロにできるものがある一方で、無くしてしまうことが難しく、その危険の大きさや利便性など考慮しながら、ある一定の大きさを受容(耐容)しなければならないものもあります。現代の私たちを取り巻く環境の中のリスクと人の健康との関係を考えるときには、既に安全か危険かの単純な二分論ではなく、実験科学的視点によるそのリスクの評価と、その社会的な視点による主観的認知や評価の両輪によって、そのリスクに対しどの程度の安全を求めるのか、自ら判断を行うことが重要になっています。

当研究室では、化学物質を含む環境中の様々なリスクについて私たちがどのように認知し判断をしているかに関する社会調査を主に行っています。調査を通じ、私たちの健康と、環境からもたらされるリスクとの関係について客観・主観の両面から見据え、このようなリスクへの対処をどのように行っていくのが良いのかを考えます。

日本は東日本大震災を含む大きな災害を経験し、また今、新型コロナウイルスの世界的流行を経験しました。これまでリスクとして意識されることの少なかった巨大津波や原発事故、新規感染症の大規模流行を実際に経験したことで、日本人のリスク観がこれまでと大きく変化している可能性があります。現在はこの点に焦点をあて、日本人のリスク認知の変化や、様々な科学的なリスクに関する知識の現状などを把握し、今後、様々なリスクに関する合意形成の場で必要になると思われるリスクコミュニケーション等のよりよい手法を検討し提案することに力を入れています。

 

当研究室で研究をする場合に、学部で学んでおいてほしいこと

私たちの研究室では,環境中のリスクに関する様々な問題を扱います。環境問題には,それぞれがもつ化学的,物理的な性質とともに,そこに関わる社会や文化の要因,あるいは個人の心情などが複雑に絡み合って存在しており,その研究には広い知識と視野が必要になります。当研究室での研究を希望される方には,所謂「理系」「文系」といった括りにとらわれず,自身の学部時代の専門分野の基礎知識を十分に獲得するとともに,人や社会,環境に興味を持ち,研究対象とする事象を理解するために必要な様々な学問分野に対する広い視野を身につけておいてほしいと思っています。

教員写真 写真