教員情報(木下 孝司)

氏名・職名 木下 孝司(きのした たかし,Takashi Kinoshita)教授
メールアドレス kino [at] kobe-u [dot] ac [dot] jp
学位 博士(教育学)(京都大学)
研究分野 発達心理学
[学部] 担当 国際人間科学部 » 子ども教育学科 » 学校教育学コース, 乳幼児教育学コース
[大学院] 担当 人間発達環境学研究科 » 人間発達専攻 » 子ども発達, 教育系
研究者情報 神戸大学研究者紹介(KUID)
教員サイト
研究紹介

乳幼児期の発達を通して、私たちが通じあうことの意味を問い直す

乳幼児の「心の理論」と自己の発達:子どもがどのように、心の状態を理解するようになるのか、あるいは過去、現在、未来の自分を連続したものとしてとらえるようになるプロセスについて、研究しています。発達心理学のみならず、哲学や人工知能研究において、「心の理論」と呼ばれる研究領域がホットなものとなっていますが、それらの研究を批判的に検討して、コミュニケーション過程における自他相互理解を、観察や実験を重ねて明らかにしています。

教えあう関係の成立過程:人間は他の霊長類と多くの共通点をもっている一方で、いくつかの重要な違いもあります。その一つが、自分の知識や技能を積極的に他者に教えることです。人類がこれほど飛躍的に文明を発展させたのも、相互に教えることがあったからだと言えます。相互に教えあうことがいつから可能になるのか、幼児を対象に研究しています。簡単な情報を教えることは2、3歳から見られますが、相手の理解状態を見計らいながら教えることは4歳頃から可能になることが明らかになってきています。さらに6歳以降では、相手の成長を願った教え方もできる可能性が広がっていることがわかってきました。

障害をもつ子どもの発達と保育・教育の相互関係:障害をもつ子どもが、自らを変えていく発達のプロセスにおいて、生活の主人公になるための条件、遊びに没頭できるための条件などについて、現場の先生方と実践場面の観察や実践記録の協議を踏まえて検討してきています。そこでは、できないことができるようになるという点だけではなく、もてる能力の適用範囲が広がり、それが他者との共同を導いていくことになる発達の方向性も吟味する必要性を考えています。

以上の研究を踏まえて、エッセイ風の読み物をまとめてみました。よろしければお読み下さい。→木下孝司『子どもの発達に共感するとき─保育・障害児教育に学ぶ』全障研出版部

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