教員情報(岡野 真裕)

氏名・職名 岡野 真裕(おかの まさひろ,Masahiro Okano)助教
メールアドレス mshrokn [at] boar [dot] kobe-u [dot] ac [dot] jp
学位 学術博士(東京大学)
研究分野 認知科学、パフォーマンス科学
[学部] 担当 国際人間科学部 » 発達コミュニティ学科 » アートコミュニケーションプログラム
[大学院] 担当 人間発達環境学研究科 » 人間発達専攻 » 表現系, 表現文化
研究者情報 神戸大学研究者紹介(KUID)
教員サイト
研究紹介

身体と環境の相互作用からパフォーマンスを科学する

音楽やダンスなどパフォーマンスにおける身体の動きは、共演者がどこでどんな動きをしているか、どんな音が聞こえてくるかのような身体外部を取り巻く環境との関係や、心身のコンディションや筋肉の付き方のような身体内部の環境との関係など、さまざまな制約との相互作用の中で生じます。「上手な人」というのは、それらの相互作用がうまくかみ合った状態をつかむことのできる人だと言えると思います。つまりそれらの環境制約から情報を引き出し、あるときはそれに適応したり、あるときはそれから解放されたり、あるときはそれを利用したりという風にして、よりよい結果を見込める行為や「流れ」を選択したり引き出したりできる人が「上手な人」なのではないか、と考えています。したがって私のこれまでの研究の着眼点としては、(1)その課題にはどんな暗黙の制約が存在するのか、(2)未経験者や初心者と中・上級者の間で心身の状態がどう違うのか、(3)同じく彼らの間で環境との相互作用の仕方がどう違うのか、(4)どんな方略や環境変化が与えられればより望ましい動作を引き出すことができるのか、といったものが中心になっています。具体的な研究テーマについては、業績紹介のページをご覧いただければと思います。

手法としては行動科学実験、心理学実験、データサイエンスなどを組み合わせて研究を進めています。練習や本番をこなす中で浮かんだ疑問や仮説を実験やシミュレーションなどに落とし込み、量的に計測・比較することによって検証するという理系っぽいスタイルです。練習や本番ですぐに役立てられるような研究を行うのは実際にはかなり難しいですが、「理系っぽい」視点からパフォーマンスを眺めて深掘りする過程で得られる「知的基礎体力」とでもいうべきものは、練習法・指導法・鑑賞法や、パフォーマンスの意義そのものなどを考える上での強力な武器になるはずです。

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