教員情報(吉田 圭吾)

氏名・職名 吉田 圭吾(よしだ けいご,Keigo Yoshida)教授
メールアドレス kyoshida [at] kobe-u [dot] ac [dot] jp
学位 教育学修士(京都大学)
研究分野 臨床心理学
[学部] 担当 国際人間科学部 » 発達コミュニティ学科 » 社会エンパワメントプログラム, 心の探究プログラム
[大学院] 担当 人間発達環境学研究科 » 人間発達専攻 » 心理系, 臨床心理学コース
研究者情報 神戸大学研究者紹介(KUID)
教員サイト http://www2.kobe-u.ac.jp/~kyoshida/
研究紹介

学校を楽しいところにするために

私の研究領域である教育臨床の現場のひとつであるスクールカウンセラーでの最前線に、リストカット症候群への対処などがあります。中学校でスクールカウンセラーをしていると、親子関係や友人関係の中での欲求不満やいらいら、納得できない想いや腹立ちなどの負の感情を親や友人にぶつけることができず、様々な考えや気持ちがうずまき眠れぬ苦しいひとりの夜に、自分の気持ちを落ち着かせるために、安定剤としてリストカットを繰り返す生徒がいます。その生徒たちは夜にガス抜きをしてしまってから学校にやってくるので、教師には明るくふるまうので、傷を見せてもらうまでは子どもの苦しみや問題に気づきにくいのです。また、仮に気づいたとしても、「そんな自分を傷つけるようなことはしてはいけません」と指導するだけでは、かえって子どもの逃げ場を奪うことにもなりかねません。そのような場合には、その生徒が一番苦しんでいる夜中に、親も教師もあるいはカウンセラーにも援助してもらえず孤独を感じていることを理解し、その生徒の対人関係を巡る深い苦しみや悩みに共感し、その苦しみをリストカットなしでも対処できるようになるまで支える必要があります。他にも、ADHDや、アスペルガー障害を含む広汎性発達障害などの発達障害の診断を受けた (あるいは疑いのある) 生徒や、問題行動を呈している生徒にintensiveに関わり、子どもの生活環境の改善に携わったりします。私の教育相談室には多くのぬいぐるみ、折り紙セット、描画セット、粘土、トランプが欠かせません。ぬいぐるみは、子どもが話しかける相手になったり、抱き心地よい安全基地になったり、時には攻撃を向ける対象となったり、大活躍です。折り紙や粘土細工、描画を通して自己表現したり、トランプで居場所づくりをしたりすることが、悩み苦しむ生徒にとって、学校を楽しめる環境にすることに役立つのだと思います。

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