[学術Weeks2012] イギリスの子育て支援に学ぶ Ⅴ

 本研究科が学術交流協定を結んでいるロンドン大学教育大学院より毎年研究者を招いて開催しているセミナー「イギリスの子育て支援に学ぶ」の第1回目を2008年度に学術Weeksとして実施して以来,このシリーズは今年度が第5回目となりました。今回は,当研究科で開催されます「日本子育て学会第4回大会」の特別招待講演会(一般公開・無料・通訳付)という形で開催することになりました。講師のデビット・ゴフ教授は,児童擁護の専門家であり,日本に長期滞在しておられる間に,現在の「日本子ども虐待防止学会」の設立に大きく貢献されたことで有名です。講演では,970年代から現在までの児童擁護の歴史から私たちはいったい何を学ぶことができるのかを解説いただくとともに,日本も含めた他の国々の子どもを支援するために,イギリスにおける児童擁護の歴史およびサービスの再評価からどんな教訓を引き出せるのかどうかが課題として投げかけられます。多くの方々のご参加をお待ちしております。

【一般公開・無料】です。どなたでも自由にご参加いただけます。通訳付です。
  (参加の際は,下記の「申し込み方法」をご参考にして下さい)

日時
2012年11月17日(土) 10:00~12:00
場所
神戸大学発達科学部 B202(B棟2階)
演者
Dr. David Gough, Professor, Institute of Education, University of London
デビッド・ゴフ博士
ロンドン大学教育大学院・教授 /日本子ども虐待防止学会・顧問
演題
Children's welfare, rights, and needs: lessons from the English child protection system
子どもの福祉・権利・ニーズ -イギリスの児童擁護システムからの教訓-
申し込み方法
「お名前 ・ ご所属 ・ 連絡先」を記入し,FaxまたはMailでお申し込みください。形式は自由です。
【申し込み先】 日本子育て学会第4回大会事務局
      Fax:078-803-7971   Mail:yuakano-teramura [at] stu[dot]kobe-u[dot]ac[dot]jp
問い合わせ
神戸大学大学院人間発達環境学研究科 HCセンター 寺村ゆかの(yuakano-teramura [at] stu[dot]kobe-u[dot]ac[dot]jp) まで
主催
神戸大学大学院人間発達環境学研究科 2012学術Weeks
共催
日本子育て学会・日本子育て学会第4回大会準備委員会
後援
兵庫県児童養護連絡協議会・兵庫県保育協会・神戸市・兵庫県

Outline Throughout history there has been awareness of children's needs and rights and with it the concept of abuse; though the ways that these have been conceptualized and applied has varied considerably between cultures and over time. The modern history of child protection in England began to develop in the 1970's. Publicity over the deaths of children by their parents led to the development of a series of more and more complex procedures for health, welfare and law enforcement staff for the protection of children. In parallel in the 1960's and 1970's, there began to be increasing concern about children's positive needs for emotional attachment relationship which led to a move away from residential care to foster care when children could not remain at home. More recently there has been a re-evaluation of these services and their aims and methods. This presentation will discuss what we have learned from this history of the development of services to protect children from the 1970's to the situation at the present time. The presentation will then pose the question as to whether there are any lessons from this history and re-evaluation of services in England for services for children in other countries (including Japan).

要旨 文化や時代によってその捉え方や対策は異なるものの,子どものニーズや権利への気づきおよび虐待という問題への気づきは,これまでずっと存在してきました。現代のイギリスにおける児童擁護の歴史は1970年代に発展し始めたと言ってよいでしょう。親が子どもを死亡させるという事件が明るみになって以降,子どもを護るための保健サービス・福祉サービス・法律が強化され,それらの役割を担う人材にとっては,きわめて複雑な対応手続きが決められてきました。こうした流れと並行して,1960年代から1970年代にかけては,情緒的愛着関係を必要とする子どものニーズを考慮し,親子分離が必要な場合,それまでの施設ケアから里親ケアに移行するという政策的流れも生じました。そして,ごく最近では,こうしたサービスおよびその目的や方法に関して再評価がなされ始めています。本講演では,1970年代から現在までの児童擁護の歴史から私たちはいったい何を学ぶことができるのかを議論すると同時に,日本も含めた他の国々の子どもを支援するために,イギリスにおける児童擁護の歴史およびサービスの再評価から何らかの教訓を引き出せるのかどうかを課題として投げかけてみたいと思います。