教員情報(TAMURA Fumio)

氏名・職名 田村 文生(たむら ふみお,TAMURA Fumio)准教授
メールアドレス bunsay [at] kobe-u.ac.jp
取得学位 Master of Music (Guildhall School of Music and Drama, London)
研究分野 作曲,編曲,西洋芸術音楽を中心とした作品研究
[学部] 所属 人間表現学科 表現創造論コース, 人間表現論コース
研究テーマ

音楽作品の様式・実態・機能の分析により,音楽の作られ方・聴かれ方を探る様々な演奏形態での音楽表現の多様性を,作品の創作によって提示しています。

[大学院] 所属 [博士課程前期課程] 人間発達専攻 表現系講座
[博士課程後期課程] 人間発達専攻 表現系講座
[(旧)博士課程前期課程] 人間表現専攻 コミュニティアートコース
[(旧)博士課程後期課程] 人間表現専攻 表現創造論分野
研究テーマ

20世紀の西洋音楽を中心とした音楽語法の分析や,様々な演奏形態における音楽の新しい表現手法の開拓と創造に取り組んでいます。

研究者情報 神戸大学研究者紹介(KUID)
教員サイト 教員のウェブサイト
研究室紹介 音の地平に,君は何を,そしてどう見てゆくか?

音そのものを見るか?音の周辺を見るか?どちらにせよ,作品の研究と創作には必要な態度と言えるでしょう。ある作品の,作家にとっての意味や歴史的意義を読み取るには,作品の実態を観察・分析することが重要である一方,作品に適した分析方法,結果を導くための適切な方法の選択も重要であると言えます。音楽作品を創作することも同様,知識・感覚・技術の総合的な能力が必要となりますが,音楽観の提示としての創作は,それらのバランス・アンバランスの調整であると同時に,誰によって作られるか,誰によって受容されるのか,という問いも間接的に照射されるのではないかと思います。ゼミではこれまで,G.リゲティやH.ディテュイユなど,20世紀の作家によるピアノ作品の研究を行いました。その他,音に関連する概念とその変遷など,学生達は様々な課題に取り組んでいますが,常に広範な文化を視野に入れつつ,研究を進めて欲しいと思います。

研究最前線 文化的パースペクティヴとスペクトラムの中にある「音」

音楽には,広範な「音」という概念,音の構成原理の無限の可能性,技術,素材,空間,など,様々な要素の接点が認められることでしょう。音楽作品とは,それらの距離を測りつつ,特定の部分が強調されたものと考えることがきますが,「接点」はまた,歴史や社会状況が反映された,共通意識としての文化と考えることもできます。人は,様々な音楽文化の中で価値を共有しつつ,あるときは異質性,非合理性,既存の価値観では解釈困難なものなどを見出すことによって,そこをより多様な価値観の土壌とすることができると言えるのではないでしょうか。グローバル,ボーダレス,などの言葉によってよく説明される現代においては,音楽文化も同様,多文化的,通文化的なものが多くなってきています。しかしその一方で私達は,音楽ジャンルのような区分の存在を前提として,様々な音楽を時と場合に応じて読み替えながら消費しています。聴衆とは,そうした,非常に複雑な嗜好と階層を持つ対象なのかも知れませんが,彼らと価値を共有する部分を保ちつつ,新しい音楽を発信してゆくにはどうしたら良いのでしょうか?勿論,その答えは簡単に出せるものではありませんが,様式やジャンルを超えたところで価値を共有できるような仕組み,音楽や聴衆の背後,音そのものの背後にあるものを,より顕在化させ得る作品を創作することで,少し答えに近づくのではないかと思っています。創作も,作品の分析研究も,「作品」という価値観を,広範な文化的パースペクティヴやスペクトラムから抽出するという意味では共通していると思います。その読み方・語り方について,様々な作品,芸術の動向,諸理論の中に手掛かりを求めつつ,新しい価値を創造してゆきたいと考えています。