教員情報(TAKAHASHI Makoto)

氏名・職名 髙橋 真(たかはし まこと,TAKAHASHI Makoto)教授
メールアドレス makoto [at] kobe-u.ac.jp
取得学位 理学博士 (早稲田大学)
研究分野 情報論理学
[学部] 所属 人間環境学科 数理情報環境論コース
研究テーマ

システム検証 (ソフトウェアが信頼できるかどうかを数学的な方法で検証する方法) と公理的集合論 (集合の理論を公理的に扱う体系) を研究しています。

[大学院] 所属 [博士課程前期課程] 人間環境学専攻 数理情報環境論コース
[博士課程後期課程] 人間環境学専攻 数理情報環境論分野
[(旧)博士課程前期課程] 人間環境学専攻 数理情報環境論コース
[(旧)博士課程後期課程] 人間環境学専攻 数理情報環境論分野
研究テーマ

無限ブール代数のゲーム論的性質およびモデル検査ツールを用いたシステムの信頼性検証について研究をしています。

研究者情報 神戸大学研究者紹介(KUID)
教員サイト 教員のウェブサイト
研究室紹介 論理的な思考力や未来に向かう創造力を養う

「未来はひと筋の道の先にただあるのではない。未来は我々が決めるものであり,すでに知られている宇宙の法則に反することのない限り我々が望む方向にきっと向かわせることができる。」米国のコンピュータ科学者アラン・ケイの言葉です。私たちを取り巻く情報環境は日々変化していきますが,どのような未来に向かうのか,それを決めるのは若い人たちです。

私たちの研究室では情報社会の基盤を数理的な視点から整備する課題に取り組んでいます。例えば,モデル検査法とよばれるソフトウェアの信頼性を向上させる手法を学んでいます。私たちの身の回りにはライフラインに関わるため正しく間違いなく動くことが要求されるソフトウェアが多々あります。そのようなソフトウェアが正しく動くことを数学的理論を基礎にした方法で確かめようというものです。それぞれのテーマの探求を通して学生のみなさんには論理的な思考のできる創造性豊かな人材に育ってほしいと願っています。

研究最前線 無限ブール代数の研究~ゲーム論的性質が集合の世界の構造に影響する

私たちの研究室の研究テーマの一つは無限ブール代数の構造の研究です。ブール代数は現在では情報科学の数理的基礎理論において欠くことにできないものですが,もともとは19世紀の中頃にブールが,論理的な推論を足し算やかけ算等の計算のように代数的な計算で置き換えようということを提唱して発展してきたものです。ただし,現在「ブール代数」とよばれている公理系をブール自身は述べていません。現在のブール代数の公理系に相当するものはハンチントンが提唱し,その後シェファーがそのような公理系をみたす代数をこの分野の先駆者にちなんで「ブール代数」とよぶようになりました。

ブール代数の研究は1963年にコーエン (後にフィールズ賞を受賞) が連続体仮説とよばれる実数の濃度に関する仮説の集合論の公理からの独立性を証明して以後大きな変化がありました。コーエンの手法は強制法とよばれていますが,無限ブール代数の様々な構造がそのブール代数を用いたブール拡大 (強制法と同等) により得られる集合の世界の性質と密接な関係があることがわかったのです。そのため現在では,ブール代数の研究と公理的集合論の研究は密接なものになっています。私たちの研究は,ブール代数上で互いに相手より小さな元を選択しながら進行する無限ゲームのいろいろなバリエーションを考え,そのゲームにおける先手や後手の必勝法の有無が,そのブール代数によるブール拡大の集合の構造にどのような影響を与えるか明らかにしようというものです。最近の私たちの研究により先手が必勝法を持つための十分条件の中に単純ではあるけれど非常に面白い性質があることがわかりました。現在はこの性質を持つブール代数の構造を決める研究を中心に行っています。なお,この無限ブール代数の研究以外にもモデル検査ツールを用いたシステム検証の研究やスクイークなどの簡易プログラミング環境を用いた数理情報教育の研究もすすめています。