教員情報(OKADA Akihiro)

氏名・職名 岡田 章宏(おかだ あきひろ,OKADA Akihiro)教授
メールアドレス aokada [at] kobe-u.ac.jp
取得学位 法学修士 (名古屋大学)
研究分野 社会規範論,イギリス統治構造論
[学部] 所属 人間環境学科 社会環境論コース
研究テーマ

近現代におけるイギリス地方自治の形成と展開を検討の対象としながら,住民自らが自治を行う可能性とそのあり方について研究を行っています。

[大学院] 所属 [博士課程前期課程] 人間環境学専攻 社会環境論コース
[博士課程後期課程] 人間環境学専攻 社会環境論分野
[(旧)博士課程前期課程] 人間環境学専攻 社会環境論コース
[(旧)博士課程後期課程] 人間環境学専攻 社会環境論分野
研究テーマ

近現代におけるイギリス地方自治の形成と展開を検証しながら,この国の特質である住民自治をとおして公共性の内実と実現形態を検討しています。

研究者情報 神戸大学研究者紹介(KUID)
教員サイト 教員のウェブサイト
研究室紹介 地方自治の現場から公共性の実像を探る

私たちのゼミでは,「現代福祉国家と地方自治」というテーマに基づき,わが国の公共性に関わる諸問題をいろいろな視点から検討しています。よく知られるとおり,1980年代以降,多くの国々で福祉国家体制は大きく揺らぎ,解体の危機にすらあるといわれます。その具体的な動きは,地方自治の現場にもっともよく現れています。住民生活に関わる多様なサービスを直接提供してきた自治体では,近年,そのサービスの多くを,企業をはじめとする民間部門にゆだね,行政機能の減量化・効率化・市場化を徹底して図っているのです。ゼミでは,最近導入された「ニュー・パブリック・マネジメント」といわれる「行政民間化」の諸手法に着目し,それに関わる基本文献をとおして問題点を探った上で,実態調査を行っています。この調査は,各自が特定の自治体を選び,夏休みにそこへ赴いて関係者の聞き取りを行うもので,秋にはその結果を報告することになっています。

研究最前線 イギリス地方自治制度の実証的検討から公共性のあるべき姿を探る

私の主な研究対象は,近現代のイギリス地方自治制度です。この国は,ときに「地方自治の母国」と称され,分権化の傾向が伝統的に強いことでよく知られています。そこでは,自治体が住民の意思に基づき豊富な公共サービスを直接提供するという「住民自治」の実態が拡がり,わが国でもあるべき地方自治の姿を示すものとしてしばしば注目されてきました。しかし,そこに現れた制度は,一定の普遍的な理念に基づいて体系的に整備されてきたわけではありません。むしろ,長い歴史のなかで,様々に試行錯誤を重ねながら,古層に新層が折り重なるがごとく,漸次的で連続的な変容を遂げてきた結果とみることができ,そのため外部からの観察を難しくしてきました。
私の研究は,こうした特徴をもつイギリスの地方自治を歴史的に捉えようとするものです。近代から現代までの時間軸のなかで,複雑に絡み合った一つひとつの要素を解きほぐし,「住民自治」的と形容される制度がいかにして形成され,どのようにして公共性を実現するようになったのかを明らかにしようとしているわけです。それは地道な作業の繰り返しですが,今の自分たちに「使える部分」だけを取り出す外国制度の研究方法では見過ごされがちな多様な人間的営為を取り出すことができると考えています。
一見すると先進的な制度であっても,その背後にはたくさんの矛盾が存在しています。しかし,私たちからすれば,そうした矛盾に対峙した人々の苦悩に触れることで,その制度の本当の意味も理解できるでしょうし,何より,そのことで,彼の国と,私たちの社会,私たちの時代とをつなぐこともできるのではないかと思います。そして,そうであるならば,その作業を続けていくこともまた,人間の真の発達が何かを探るひとつの手だてになるのではないかと考えています。