教員情報(ASANO Shinichi )

氏名・職名 浅野 慎一(あさの しんいち,ASANO Shinichi )教授
メールアドレス asanos [at] kobe-u.ac.jp
取得学位 博士 (教育学) (北海道大学)
研究分野 社会文化環境論,社会学
[学部] 所属 人間環境学科 社会環境論コース
研究テーマ

国境を越えて移動する人々を主な対象として,歴史に翻弄されながらも,自ら主体的に新たな歴史を創り出す諸個人の生活や行為について研究しています。

[大学院] 所属 [博士課程前期課程] 人間環境学専攻 社会環境論コース
[博士課程後期課程] 人間環境学専攻 社会環境論分野
[(旧)博士課程前期課程] 人間環境学専攻 社会環境論コース
[(旧)博士課程後期課程] 人間環境学専攻 社会環境論分野
研究テーマ

国境を越えて移動する人々を主な対象として,歴史に翻弄されながらも,自ら主体的に新たな歴史を創り出す諸個人の生活や行為について研究しています。

研究者情報 神戸大学研究者紹介(KUID)
教員サイト 教員のウェブサイト
研究室紹介 人は,いかにして世界を変えるのか?

私達のゼミでは,一人ひとりの人間が,どのように新たな時代を切り拓きつつあるのかを考察します。つまり個々人のミクロな生活や意識の変化,およびマクロな世界社会の歴史的転換の双方を貫く内在論理を明らかにすることを目指しています。そこでまず,現代の世界社会の構造や動態,および諸個人の「生命=生活 (life)」や発達に関する社会理論を学びます。またゼミの学生達は街に出て,インタビュー調査を敢行します。世界社会の構造を根底から創りかえ,新たな世界を創造する主体性やエネルギーは,人々の現実の生活や生き方の中にしか発見できないからです。インタビューの相手は,在日外国人,ワーキングプア,NGOの活動家,有機農業に挑む農民,地域の食文化を担うパン職人,アニメにはまるオタク,尊厳死を選ぶ人々,海外を放浪するバック・パッカー,子育てに悩む父母,日本に帰国した中国残留孤児など,多彩です。

研究最前線 諸個人は,いかにして新たな世界史を創るのか?

私がとりくんでいる研究テーマは,中国残留日本人の人生と世界社会の歴史的変動を貫く内在論理を解き明かすことです。それをとおして,一人ひとりの人間の主体性や潜在能力が,ポスト近代の新たな時代を切り拓いてゆく道筋や可能性を見出すことを目指しています。

中国残留日本人とは,第2次世界大戦の終結期,「満州国」といわれた中国東北地方に遺棄され,かろうじて生き残った日本人です。彼・彼女らは戦後の中国では「日本人」として差別・迫害され,日本に帰国した後は一転して「中国人」として疎外・排除され続けてきました。その人生は,帝国主義と植民地支配,東西冷戦とポスト植民地主義,そしてグローバリゼーションといういずれも国境を越えた世界社会の歴史的変動によって翻弄されてきました。

しかし中国残留日本人は,ただ単に歴史に翻弄されてきただけの客体ではありません。何よりまず,生きた人間として普遍的主体です。また一方で日本国民としての権利を求めつつ,他方では国民国家の枠組にとらわれない越境的主体でもあります。彼・彼女らは,「日本人」と「人間」,国民主権と脱国民化の緊張関係を一身に体現し,双方の矛盾を乗り越えることによってしか,ありのままの自分を生きることができません。

私はこれまで日本と中国の双方で,270人を超える中国残留日本人とその家族にインタビューをさせていただきました。彼・彼女ら一人ひとりが語る生きざま,また語り尽くせぬ思いのなかに,私はポスト近代の新たな社会創造の片鱗を感じとっています。これを,残留日本人自身の胸にもすとんとおちる明晰な概念と論理で語りかえし,いっしょに新たな社会創造の展望を発見すること。これこそ私がなすべき研究です。