神戸大学大学院人間発達環境学研究科 大学院生の研究活動2016

ライフヒストリー・プロジェクトに参加して

土屋 有里香(人間発達専攻 博士課程 前期課程 2年)

私はライフヒストリー・プロジェクトの一環として,人間発達専攻が主催する先端的研究を進める研究会「研究道場」に参加してきました。一人の人生には人々との出会い,出来事と社会的な背景が内包されています。それらが結びつくことで,思いもよらない意味が生まれ,その生に影響を与えています。研究道場ではこれらの過程を丁寧に捉えていくことにより,一つの生の歴史には一見想像できないほどの奥行きがあることを学びました。私は修士論文の研究で,ある地域における太平洋戦争の戦跡が地元住民の方にどのように受け取られているのかについて聞き取り調査を行っていますが,そこにおいても研究道場で学んだ一つの人生の奥深さを強く実感しています。その人の人生に私自身が関わることでライフヒストリーの新たな結びつきが生まれていくのだと感じています。


緑地の価値に関する研究に関わって

青島 一平(人間環境学専攻 博士課程 前期課程 1年)

私の研究内容は簡単に言えば緑地の価値評価です。私は,人間環境学専攻生活環境論コースの環境経済学を主軸とするゼミに所属しているので,経済学的な手法を用いて緑地の価値評価を行うわけですが,これが可能になったのは自然科学的な知見を提供してくれた共同研究をしている自然環境分野の研究室の力添えがあったからです。このように学際的な研究に携わることにより,考え方の多様性を知ることができ,自分の研究分野の観念に縛られることなく視野を広げることができると思います。「人々により豊かな生活を送ってもらう」ことが研究のひとつの目標なので,今後もその目標を達成するために必要なことを,定説に縛られることなく,多角的に自分で検討していきたいと考えています。


ESDスタディツアープログラムの実践に関わって

堤 拓也(人間発達専攻 博士課程 前期課程 2年)

私はESDスタディツアープログラムの実践に関わっています。ESDスタディツアープログラムとは,主に高校生,大学生が様々な分野領域の活動を巡ることを通して,徐々にESDを理解することを目的としたプログラムです。このプログラムの主催組織であるESD推進ネットひょうご神戸(RCE兵庫-神戸)には,神戸大学の教員だけでなく,地域活動の実践家や行政職員,企業家,学校の先生などの様々なステークホルダーが参加しています。私はESDスタディツアープログラムのコーディネーターを務めることで,様々な団体・人とのつながりと多様な学びの機会を得ることができました。今後は,このつながりを参加者へと紡いでいき,より多くの人がESDに触れられる仕組みをつくっていきたいと考えています。


経済発展のための社会事業「SEED」に参加して

木嶋 恭子(人間環境学専攻 博士課程 前期課程 2年)

2015年度神戸大学ではじめて募集されたSocial Enterprise for Economic Development(SEED)「経済発展のための社会事業」というプログラムに参加しました。このプログラムはASEAN主導のものであり,ASEAN諸国を中心に学生や研究員が集い,コミュニティビジネスを視察しながら,新しい事業のあり方について議論をします。私が参加した際,開催国はフィリピンであり,山岳地域の経済活性化のために,コミュニティやマーケットの調査,論文等から情報を集め,毎日様々な国から集まった学生や教授との議論に明け暮れました。もちろん共通言語は英語です。私は決して流暢に英語を話すことはできませんが,言葉ができないということに負い目を感じるくらいなら,自分の中で考えを巡らせ,とにかく口を開くことが大切ではないかと考えます。たとえ言葉ができたとしても,中身がなければ意味がない。言葉を学ぶことはもちろん大切ですが,他国の学生や教授と真剣に議論をしたいのであれば,それだけに特化していても対等には扱ってもらえないことを痛感しました。私は手段としての英語を学ぶことに対するモチベーションをあげてくれたこの好機にとても感謝しています。

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案内パンフレット 『神戸大学大学院人間発達環境学研究科2017』 より